松下幸之助が語る経営者のいちばん大事な条件をまとめていたら、ふと、安岡正篤先生の言葉が目に留まりました。
安岡先生と言えば、知る人ぞ知る、東洋思想の大家であり、中曽根元首相をはじめとした、昭和の総理大臣の指南役。平成の元号を考案した人でもあります。
そんな安岡先生の「経世瑣言」という小難しい本の中から、ご紹介します。
「東洋政教の本義は民衆に対する論策よりもむしろ常に為政者自身の心の修養を重んずるにある。
経世瑣言(安岡正篤著、致知出版社)」
漢字ばかりでとっつきにくい(笑)
東洋思想の大家だけあって、言葉が硬いです。だからこそ、重みも感じますが。
要は、東洋思想においては、政策ではなく、政治家の心の修養を重視しているということです。
政治家と言うのを経営者に置き換えると、経営者として何をするのかよりも、経営者自身の人格向上の方が大切なんだということになります。
そう、何をやるか、よりも、誰れがやるか。
経営者にとって、商品開発や営業も大事。業績やキャッシュフローも大事。その根底にある経営者自身の人間性ももっと大事だということです。
目の前の業務に全神経を注ぐだけではなく、時には自分自身の言動を振り返って反省すべきは反省したり、ゆっくり本を読んだりして、自分の人間性を高める時間もとってみてください。