松下幸之助が語る経営者の一番大事な条件の3つ目をご紹介します。
今回のは松下がいちばん大事とは言っていないけど、経営者にはこれさえあればいい、と言い切っているものです。
どんなことでしょうか、早速ご紹介しましょう。
「経営者は素直でないといかん。極論すれば、この素直な心を、もし完全に身につけておれば、他は、なんもいらんと言える。素直な心だけでいい。そやろ。
素直な心であれば、何が正しいか、何をしなければならないのか、ということがおのずと分かるから、この素直な心を身につけることに成功するならば、もうこれだけで十分だと言える。それほどのものなんや(松下幸之助はなぜ成功したのか、江口克彦著、東洋経済新報社)」
松下曰く、素直な心と言っても、子供のような素直な心ではありません。騒いじゃいけないところで騒いだり、なんでなんでと知らないことに矢継ぎ早に質問を投げかけたり、こういうのは素直な心とは言わず、無知の心だと松下は言っています。
松下の言う素直な心と言うのは、「正しさに添う心」、「天地自然の理法に従う心」だそうです。
天地自然の理法と言われても、正直、何を言っているかわかりません(笑)
私たちのような凡人であれば、松下の言う素直な心とは「正しさに添う心」という理解でいいと思いますが、言うは易し行うは難し、かな。
とは言え、素直な心に近づく努力だけはした方がいいんじゃないかと思います。
じゃあ、そのためにはどうすればいいのかと言うと、何が正しいか、ということを経営者がしっかりと認識しておくことじゃないかと思います。
正しい、正しくないは、人それぞれ違っています。違っていいと思います。違ってていいのですが、よくないのは、自分では正しいと思っていることが、世間からみたら、正しくないことがある、ということです。
そういうことってありませんか?
自分にとっては当たり前のことだと思ったら、周りは全然違ってた、というようなこと。ありますよね?
なので、正しさに添うためには、自分が正しいと思っていることがもしかしたら正しくないかも、という自分を冷静に受け止める心と、じゃあ、一体何が正しいか、というのを常に追い求める心が必要になってくるのかな、と思います。
自分は正しいと思っていることが実は正しくないかも、と冷静に自分を見つめてみて、素直な心に近づく努力をしてみてはどうでしょうか。