羽田空港から那覇空港に向かう飛行機の中、乗客用に用意されているWedgeの2019年8月号を手に取って読んでました。
時間潰しになればいいやと、期待せずに読んでみたのですが、「これは!」と思う記事がありました。経営に関して、気付かされる記事だったので、それを紹介することにします。
マツダ相談役の金井誠太さんの記事です。
マツダはバブル崩壊後にフォード傘下に入りましたが、それでも「世界一」になりたいというビジョンを描き、それを実現する方法を考え抜いて実行してきました。
その当時の研究開発のトップを務めていたのが金井さんです。
私が「これは!」と思ったのはこの言葉です。
「毎回土俵を決めれば、学んで失敗したことを次に生かすことができる。だが、毎回違う土俵で多点張りをすれば、そこまでやったことが使い捨てになってしまう。
バブル崩壊前までのマツダはまさにその通りで「誰もやっていないこと、世界初をやってみせろ」と、技術者として嫌ではなかったが、どの方向に向かっての個性なのか、もう少しはっきりして欲しいと、感じていた。(Wedge2019年8月号」
方向付けが大事なんだ、と改めて思ったのです。
社員にやる気があったとしても、方向性がわかっていないと、そのやる気をどの方向に向けていいのかがわからなくなるので、やる気が空回りしてしまいます。
社員のやる気を引き出すためには、方向性、方向付けをしてあげる必要があるということです。
私も社員として働いたことがありますが、その時の上司、あるいは社長が、何を考えているのかがわからないと、どう頑張っていいか、どこまでやればいいのかが決められませんでした。
結局、中途半端な仕事しかできなかった記憶があります。
社長の重要な仕事の一つが会社の方向付け。方向付けというとかっこよすぎるかもしれないですし、構えてしまうかも知れませんね。
また、ロマンや志を語るというのも恥ずかしくてできないかも知れません。
であれば、何を考えて経営しているのか、どんな判断基準で意思決定をしているのかなど、社長の頭の中のことを日ごろから社員に話しておくのでもいいと思いますよ。