「一億層大衆化時代」、世の中のトレンドを読むときに忘れてはならない言葉だと感じました。
武田邦彦の科学的人生論 『武田先生、ホンマでっか! ?』(武田邦彦著、飯塚書店)という本を読んでそう思いました。
著書の武田邦彦先生は科学者です。地上波TVでもコメンテーターとしてコメントしているので知っている人も多いでしょう。私はネット番組でよく見る方です。
武田先生は科学者なので、その語り口はロジカルで、かつとてもわかりやすいです。武田先生は科学者だというのに哲学や社会学にも関心を持っていることに、少し驚きました。
そんな武田先生なので、世界的な名著であるオルテガ・イ・ガセットの「大衆の反逆」も読んだそうです。その本を読んで、ガセットに頭が下がると言って、こんなことを書いています。
「それまでの貴族は一人ひとりが精神的にも物質的にも独立していたので、その存在価値は他の人とは違う「独自性」にあった。だから、付和雷同したり、他人の考えに唯々諾々と従うことを嫌った。
しかし、大衆はいちいち考えるのは面倒なので、できるだけ考えず、他人と同じことを好んだ。(中略)だから、大衆の時代には、誰かに扇動されて社会全体が動き、いったん社会の雰囲気が決まると誰もそれに反対できなくなる。(武田邦彦の科学的人生論 『武田先生、ホンマでっか! ?』、武田邦彦著、飯塚書店)」
そして、現代日本を「一億総大衆化時代」と言っています。的を射ていますよね。
モリカケ問題、闇営業、あおり運転など、自分たちにあまり影響のないことにも関わらず、マスメディアは連日話題にしていました。私には、マスコミが扇動しようという意図があるとしか思えませんでした。
こういった事件に限らず、世の中のトレンドも同じじゃないかな、と思います。
最近だとタピオカでしょう。トレンドにあんまり詳しくない私でも知っていることです。タピオカを出すお店が急激に増えて、たいがいどこの店も行列ができています。
ブームはまだ続いていますが、いつまで続くか。。。
どういう経緯か知らないのですが、これだけタピオカが流行っているのは、誰かがタピオカを流行らせようと意図して、マスメディアを巻き込んで社会全体を動かした結果だと私は考えています。
いいものは売れるし、ニーズがあるものも売れるのは当たり前ですが、社会全体を動かす力のある人が売ろうとしているものが売れてしまう。しかも爆発的に。
それが「一億総大衆化時代」です。
世の中のトレンドを掴み、それが続くのか続かないのかを考える時には、消費者にはこういう一面があることを頭に置いておかなくてはいけませんね。